たくさんの生徒さんを教えていますがその中でも古株、15年教えてきた今は社会人の生徒さんのお話。
初めて来たのは小学校4年生でした。
おとなしくて一言も喋らない、返事は首を縦か横に振るだけ。
その子は当初、桐朋学園大学を目指していました。基礎からしっかりと、曲数もたくさんこなし、ソルフェージュや聴音もやっていました。
真面目な性格で、少し融通が効かないところがあったんです。
音楽って、1+1=2 ではない部分があります。つまり、1+1=3や4や5や・・・。
センスだったり、思うがままの面白い演奏ができたり、人がしないような演奏をしてみたり、こんな感じだよね!という、説明もできないような部分があっても良いと思うんです。
その子はそこができなくて、きっちり真面目には弾ける、けど揺れて弾くことも歌って弾くことも苦手でした。
それでもご両親の希望もあり、何とか目指していたのですが・・・
ある時、限界を感じました。それは本人もご両親もです。
残念ではありましたが、その子は目指す大学を一般大学とし猛勉強をして、ものすごくレベルの高い大学へ入学しました。ちなみに、受験でピアノをお休みしていたのは半年間のみ。
無理して?ピアノピアノと、本人も楽しくもなく目指していても成長はしないんですね。
大学へ入っても、社会人になってもずっとレッスンに来てくれているのは、桐朋を諦めて趣味でピアノを楽しむことにしたからかなと思います。
基礎はできているし、あとは好きな曲を好きに弾くだけ。
こんな楽しいことはありません🎶